今回のポイント
- 原油価格と中東情勢の不安定性が、各国のインフレ見通しと中央銀行の金融政策に影響を与えています。
- 米国では原油高がインフレを押し上げ、FRBの利下げ期待を複雑にする可能性が指摘されています。
- 日本経済はGDPが上方修正されたものの、エネルギーコスト上昇による下振れ懸念があります。
- 豪ドルはRBAのタカ派姿勢を背景に堅調ですが、RBA高官は中東情勢を「真の課題」と認識しています。
- ドルの動向はリスクムードと原油価格に連動する傾向が見られます。
個別ニュースの整理
RBA高官発言と豪ドル動向
RBAのHauser高官は、原油価格と中東情勢の不安定性が「真の課題」であると述べました。対応は価格ショックの規模と持続性によるとし、現時点では不確実性が高いと指摘。原油価格の上昇はインフレ予測の上振れリスクですが、まだ流動的であるとしています。RBAは先月、主要中央銀行の中で最初に利上げに回帰し、他の中央銀行と比較して最もタカ派的であり、これが豪ドルを支える主要因となっています。AUD/USDはリスク回避とドル買いの中でも0.7000を維持し、年初から6%上昇しています。RBAの来週の利上げ確率は約35%、年末までに約61bpsの利上げが織り込まれています。
FXオプション満期とEUR/USD
EUR/USDのオプション満期は1.1640-50レベルに集中しています。EUR/USDは100時間移動平均線(1.1597)を上回るものの、200時間移動平均線(1.1666)を下回っており、短期的なバイアスは中立とされています。オプション満期は価格変動を制限する可能性もありますが、市場の大きな影響要因に比べると影響は限定的であると指摘されています。ドルの全体的なムードが主要な決定要因であり、これはリスクムードと原油価格に連動しています。原油価格の下落に伴い、ドルも下落し、EUR/USDは昨日1.1507まで下落しましたが、現在は100pips以上上昇しています。
米インフレと原油価格
ゴールドマン・サックスとバークレイズは、地政学的緊張による原油価格の持続的な上昇が米国のインフレを3%に押し上げる可能性を警告しています。ゴールドマン・サックスは、原油価格が10%持続的に上昇すると、総合CPIに約0.28%ポイント追加されると試算。あるシナリオでは、原油価格が約10ドル上昇し3ヶ月間高止まりすると、米国のインフレ率は2.4%から約3%に上昇する可能性を指摘しています。バークレイズは、原油価格が1バレル100ドルに近づくと、主にガソリン価格を通じて総合インフレを押し上げると見ていますが、エネルギー価格が長期にわたって高止まりしない限り、コアインフレへの波及は限定的と予想しています。原油価格の長期的な高騰は、FRBの利下げ期待を複雑にする可能性があります。
日本GDP上方修正と中東情勢
日本の第4四半期GDP成長率は、投資の好調により年率1.3%に大幅上方修正されました(速報値0.2%)。設備投資は1.3%増で、1年ぶりの高水準。個人消費も0.3%増に上方修正され、堅調な国内需要を示唆しています。しかし、1月の家計支出は前年比1.0%減で、2026年に向けての勢いに懸念があります。イランを巻き込む戦争は、エネルギーコスト上昇の脅威となり、消費と投資を抑制する可能性が指摘されています。日本銀行は、経済が概ね見通し通りに推移すれば、さらなる利上げに前向きな姿勢を維持しつつ、中東紛争に起因する世界経済のリスクを慎重に監視する必要があるとしています。
中国人民銀行の基準値設定
中国人民銀行(PBOC)は、本日のUSD/CNY基準値を6.8982に設定しました(予想6.8891)。PBOCは、この基準値を中心に人民元を+/- 2%の範囲で変動させることを許可しています。また、PBOCは本日、公開市場操作で7日物リバースレポを通じて395億元を1.4%で供給しました。
市場が注目した点
- 原油価格の動向と中東情勢の不安定性が、各国のインフレ見通しと中央銀行の金融政策に与える影響。
- 米国のインフレ動向と、それがFRBの利下げ期待にどう影響するか。
- 各国経済の回復力と、地政学的リスクによる下振れ懸念。
- RBAのタカ派姿勢と豪ドルの動向。
- ドルの全体的なムードがリスクセンチメントと原油価格に連動している点。
注意点
- 原油価格の動向と中東情勢の進展。
- 各国中央銀行(RBA、FRB、日銀)の金融政策スタンスの変化。
- 米国のインフレ関連データ(3月11日発表予定)。
- 日本の家計支出など、今後の経済指標。
参考ニュース一覧
- RBA policymaker Hauser says oil price and Middle East volatility is a "genuine challenge"
- FX option expiries for 10 March 10am New York cut
- ICYMI: Goldman Sachs & Barclays warn sustained oil surge could push US inflation toward 3%
- Recap – Japan upgrades Q4 GDP to 1.3% on strong investment, Iran war clouds outlook
- PBOC sets USD/ CNY reference rate for today at 6.8982 (vs. estimate at 6.8891)

